100年に一度の状況

未曾有のコロナ禍。
100年に一度の状況とも言われる今、私達は歴史的な転換期を生きているのかもしれません。
今まで普通にあったことが、ゼロになったり、真逆になったり。

観光もその一つです。
2019年までは盛況だった海外旅行需要も、今は不要不急なら行くなという状況。
都道府県をまたいでの旅行も、はばかられるご時世になってしまいました。

でも、だからと言って、人は旅行せずにいられるのでしょうか。
行動を制限され、抑圧された環境の中で、ちょっと出かけて気分転換したい、日常を離れてリフレッシュしたいという思いは自然に湧き上がる欲求だと思います。

新しい旅のスタイル

そんな中、今、マイカーを使った少人数での短距離旅行が注目されているんですよ。
団体旅行や訪日旅行客がほぼ無くなり、打撃を受けている観光地も、マイカー
の旅行需要に期待しています。

ところで、マイクロツーリズムという言葉は聞いた事がありますか。
コロナ禍になって言われ始めた旅行形態なんですが、3密を避けて、自分の住む地域や近場で過ごす旅のスタイルのことです。
近場で地元の観光地を見学したり、伝統文化やアクティビティを体験したり、地元
の名物を食べたり。

長距離旅行だとウイルス感染や拡散のリスクが高くなってしまうから、近場で旅行
欲を満たそう。
そうすれば、地域の観光施設や地域経済にも貢献できるよね、という発想です。
このマイクロツーリズムの考え方が、マイカー旅行の増加の背景にあり、観光業界
も目をつけています。

地元の魅力再発見

また、マイクロツーリズムには、嬉しい効果もあるんです。
今まで、近くにあり過ぎて逆に気付かなかった、地元の魅力を再発見できる点で
す。
地元にこんな素敵な旅館があったんだ、こんなに素晴らしい景色があったんだ、な
ど。
地元の美味しい食材や伝統文化に触れて、遠くまで行かなくても、こんなに楽しめ
るとは思わなかったと感じる方が多いようです。

近場でリッチな旅行

実際、私もコロナ禍で何度か旅行をしています。
もちろん、感染対策はばっちりした上で、もっぱらマイカーで近場の旅行です。
元々、温泉旅行が好きだというのもありますが、この際だから、地元で前から気に
なっていた旅館に泊まろうと言う気持ちもあります。

そして、近場のマイカー旅行だと、意外にリッチな旅になるんですよね。
その理由を考えてみました。

今まで、海外や長距離旅行をしていた時に比べると、マイカーの近距離旅行は、断
然交通費が違います。
また、近距離だと宿泊数も短くて良いから、宿泊費用も浮きます。
結果、浮いたお金でちょっと良いものを食べたり、1泊だけなら、泊まるところはグ
レードアップしようかとなるのだと思います。

コロナ前は、外へ、より遠くへと目が向いていました。
でも今は、自分たちが住む日本の事、地元の事を知る良い機会なのかもしれませんね。