手間をかけない食事こそが、最大の贅沢になる瞬間
キャンプやバーベキューというと、どうしても「肉を焼く」とか「ダッチオーブンで煮込み料理を作る」といった、いわゆる「キャンプ飯」を想像しがちですよね。もちろん、みんなでワイワイと料理をするのも楽しいですし、時間をかけて作った料理は美味しいに決まっています。でも、私が今回改めて感じたのは、もっと手前の、もっとシンプルな食事の感動でした。
例えば、コンビニで買ったカップラーメン。家で一人で食べる時は、なんとなく「今日はこれでいいか」という妥協の食事になりがちです。お湯を入れて3分待つ時間すら長く感じて、スマホをいじりながら適当に流し込んでしまうこともあります。でも、これが景色の良い山の上や、風が気持ちいいキャンプ場だと、まったく別の食べ物のように感じるから不思議です。
お湯を沸かすバーナーの音を聞きながら、白い湯気が空に昇っていくのをぼんやり眺める時間。出来上がった熱々のスープを一口飲んだ時の、体に染み渡るような感覚。ただのインスタント食品なのに、高級レストランのスープよりも美味しく感じることさえあります。外で食べる時は、準備の手間や値段なんて関係ないのかもしれません。むしろ、手間をかけずに景色と空気をおかずにすることで、最大の贅沢を味わえるのではないかと最近は思っています。
五感がフル活用されるから美味しく感じるのかもしれません
なぜ外で食べるとあんなに美味しいのでしょうか。科学的な根拠があるのかどうかは分かりませんが、私なりに考えてみると、やはり「五感」が関係しているような気がします。室内で食事をする時、私たちは味覚と、せいぜい視覚くらいしか使っていないことが多いのではないでしょうか。テレビを見ながらだったり、仕事の合間にパソコンを見ながらだったりすると、味すらあまり感じていないこともありますよね。
でもアウトドアの環境では違います。肌に触れる風の心地よさや、太陽の暖かさ、土や草の匂い、遠くで聞こえる鳥の声や川のせせらぎ。そういった自然の情報が常に体に入ってきている状態で食事を口にするから、味覚も敏感になっているのかもしれません。
以前、海辺でコーヒーを飲んだことがありますが、潮風の香りとコーヒーの香りが混ざり合って、家で飲むいつもの豆と同じものとは思えないほど複雑で深い味わいでした。あの時は、ただ座って海を眺めていただけですが、何もしない贅沢というものを全身で感じた気がします。普段の生活では、私たちは無意識のうちにいろいろなストレスや情報に囲まれていて、感覚が少し鈍くなっているのかもしれませんね。自然の中に身を置くことで、人間本来の感覚が呼び覚まされて、ご飯本来の美味しさを再発見できる。それがアウトドアの醍醐味の一つなのだと思います。
これからは「頑張らない外ごはん」を楽しみたいです
キャンプやピクニックに行くと、せっかくだからと張り切って、重たい食材や調理器具をたくさん持って行ってしまいがちです。私も以前はそうでした。「映える」料理を作らなきゃいけないとか、品数を多くしないといけないとか、勝手にプレッシャーを感じていたこともあります。その結果、準備と片付けに追われてしまって、肝心の景色を楽しむ時間が少なくなってしまっては本末転倒ですよね。
今回、ふらっと立ち寄った先でおにぎりを食べただけの時間がとても豊かだったことで、私の考え方も少し変わりました。これからはもっと肩の力を抜いて、「頑張らない外ごはん」を楽しんでいきたいなと思います。
次回のアウトドアの予定はまだ具体的ではありませんが、今度は美味しいパン屋さんでサンドイッチを買って、魔法瓶に温かい紅茶を入れて、近場の公園に行くだけでもいいかなと考えています。調理器具すら持っていかない、究極の手抜きアウトドアです。でもきっと、青空の下で食べれば、それが最高のご馳走になるはずです。皆さんも、もし今度の休みが晴れたら、コンビニのおにぎり一つを持って外に出てみてください。きっと、驚くほど美味しいランチタイムが待っていると思いますよ。
